木材名 | ヤマザクラ・サクラ | 科目 | バラ科サクラ属 |
生産地 | 本州(宮城、新潟の両県から南)・四国・九州 | 気乾比重 | 0.62(0.48-0.74) |
心材色 | 紅褐色 | 辺材色 | 灰白色 |
材質 | 硬質粘質 | 用途 | テーブル・カウンター・家具・建築(造作材、フローリング等)・楽器・器具(道具の柄、漆器木地等)・木型・彫刻材・指物等 |
種類が豊富な日本の代表的樹木 |
サクラの仲間でもヤマザクラの材質が一番用材に適しています。
山桜には、白山桜という白い花をつける樹木の木は、南方型で宮城新潟ラインから南に多くあります。大山桜という淡褐色の花を付ける樹種は本州中部から以北に多い北方型です。
また霞桜という種類は、花は真っ白で遅く咲くもので、深山に多く自生しています。
染井吉野は江戸時代に鑑賞用として作られた木で、用材には向きません。
山桜の材質は粘りがあって、切削加工が容易で表面がきれいに仕上がる性質があり、それを活かして版画の台木に使われました。
江戸時代の浮世絵や書籍の印刷用の版木はほとんどヤマザクラでした。
木管楽器、薩摩琵琶の胴、ピアノ、オルガンの外装、琴柱、三味線等の楽器に使われ、算盤玉、漆器の木地、サラダボウル、ブラシの柄、額縁、塩田器具、三角定規のような道具類にもよく使われています。
家具としては桜材製の洋服ダンスは高級品のレッテルをつけられており、その美しさを引き立てます。まれに出る縮み杢は天板、ダイニングテーブル、カウンター材に珍重されています。
現在ではヤマザクラによく似た材質のカバ材に取って代わられています。
また紫檀の代用品として着色塗装し、仏壇にも使われていました。
現在、山桜は市場では入手困難で、桜材を注文すると代用としてマカバ材が供給されます。
本来はサクラと呼べばヤマザクラ(木材業界では本桜ともいいます)で、マカバは代用品となっていますが近年ではマカバは独自の材として価値を生み出しております。